ザ・コンサルタント(2016年)は、天才的な会計士でありながら、裏社会の“汚れ仕事”も請け負うミステリアスな男、クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)を描いたサスペンス・アクション映画です。
見無口で内向的な主人公が、数学の天才でありながら超一流の戦闘スキルも持ち、次第にその過去と謎が明らかになっていきます。
ストーリーは緻密で、予測不能な展開と圧巻のアクションが観る者を惹きつけます。
「ただの会計士じゃ終わらない――静かなる天才の正義が動き出す。」
「頭脳と武力、二つの武器を持った男の正体に、あなたも目を奪われる。」
作品の基本情報
監督:ギャヴィン・オコナー
脚本:ビル・ドゥビューク
主演:ベン・アフレック(クリスチャン・ウルフ役)
共演:アナ・ケンドリック、J.K.シモンズ、ジョン・バーンサル、シンシア・アダイ=ロビンソン他
ジャンル:アクション、サスペンス、スリラー
2025年6月7日現在、Amazonプライムビデオで視聴可能です。
レーティング:(G)
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・ザ・コンサルタントのあらすじと感想・評価(ネタバレあり)
「天才とは孤独だ」とよく言われます。
しかし、もしその天才が人の感情を読み取ることができず、代わりに数字の羅列から真実を見抜く力を持っていたとしたらどうでしょう!
そんな問いに真正面から挑んだ映画が、ギャヴィン・オコナー監督の『ザ・コンサルタント』です。
主演はベン・アフレック。
彼が演じるのはクリスチャン・ウルフという人物です。
表の顔はしがない田舎の会計士ですが、実は裏社会の危険な依頼さえ引き受ける凄腕の“帳簿屋”なのです。
クリスは高機能自閉症(ASD)を抱えており、幼い頃から父親によって過酷な訓練を課されてきました。
その結果、彼は軍人さながらの戦闘スキルを身につけ、知的なパズルと肉体的な戦闘の両方に長けた、まさに“異能”のヒーローとなっています。
物語は、あるロボティクス企業の帳簿に不正が見つかったことから始まります。
クリスはその調査のため、表向きは会計士として企業に呼ばれますが、やがて事態は単なる経理の不備ではないことが明らかになっていきます。
彼とともに謎に迫るのは、社内で異変を察知していた若き会計担当者のダナ(アナ・ケンドリック)です。
ふたりのやりとりは不器用ながらもどこか温かく、クリスの内面にある“人とのつながり”への渇望が、静かに滲み出てきます。
しかしながら、映画はそのぬるま湯に浸るような余裕を与えてはくれません。
真相を追うクリスに対し、何者かが命を狙ってきます。
背後にあるのは企業の陰謀なのか、それとも彼自身の過去なのか。
そして、彼を追う財務省の捜査官(J・K・シモンズ)の存在も、物語に緊張感を与えています。
本作の魅力のひとつは、アクションと静謐さのバランスにあります。
銃撃戦は短く、鋭く、無駄がありません。
その一方で、クリスの少年時代の回想シーンや、彼が感情をどう捉えているのかに焦点を当てた場面では、観る者に静かな余韻を与えてくれます。
特に、幼少期に弟とともに受けた訓練の記憶や、唯一の理解者との関係!
それが“誰”なのかが明かされる終盤には、驚きとともに切なさすら感じられました。
ラストでは、クリスの兄であるブラクストン(ジョン・バーンサル)が敵として登場します。
かつて一緒に過酷な訓練を受けた兄弟が、最終的には対峙しなければならないという展開は、単なるアクション映画の枠を超えたドラマを感じさせます。
そして、最終的にふたりの間に交わされる“兄弟としての無言の理解”が、何とも言えない余韻を残します。
『ザ・コンサルタント』は、単なるスリラーやアクションではありません。
数字という言語で世界を読み解こうとする孤高の男が、人間としてのつながりを求め、過去と向き合いながらも前に進もうとする物語です。
その過程で描かれる人間関係の機微が、実に味わい深く感じられます。
「誰かと分かり合うことは難しい。けれど、だからこそ、分かり合えた瞬間は美しい」――私は、この映画からそんなメッセージを受け取りました。
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